今ここを生きる勇気 老・病・死と向き合うための哲学講義

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「今ここ」に目を向けて、一瞬一瞬を真剣に生きることの大切さを説く

今年は正月休みを延長し1/6まで有給休暇を取りました。
休暇中に読んで感銘を受けた本がありましたのでご紹介します。

「今ここを生きる勇気 ~老・病・死と向き合うための哲学講義~」という本です。
あのベストセラー「嫌われる勇気」の著者、岸見一郎さんがNHK文化センターの講義内容をまとめた書籍です。講話だけでなく受講生との対話もあり、面白い内容となっています。

どう生きるかを考える手がかりになる講座

講座では学生だけでなく様々なバックグラウンドの方向けに、今の時代を生き抜くことができるか、どう生きるべきか?といった問題を考える手がかりを示してくれるような内容となっています。

章立てはこのようになっています。

  • 第1講 哲学は何ができるのか
  • 第2講 どうすれば幸福になれるのか
  • 第3講 対人関係が悩みのすべて
  • 第4講 老いと病から学ぶこと
  • 第5講 死は終わりではない
  • 第6講 今ここを生きる

それでは、本書を読んでここがポイントというフレーズを引用してご紹介します。

哲学は何ができるのか

誰もが学べるというのが本来の哲学。
哲学の定義というと、私たちが既成の価値観・常識を疑っていく精神。
哲学はあらゆる条件・状況を加味して、生活者として地に足をつけて物事を考える。
哲学は心地よいものではないが学べば人生が変わる。学ぶ前後で人生が変わるのが哲学。
苦しみも私たちが生きて行くために必要。

無知の知を自覚する。(ソクラテス)
虚無主義(価値相対主義)は独裁の温床となる。
考えるのをやめると為政者の都合のいい価値観を植え付けられる。

どうすれば幸福になれるのか?

過去に経験したことは生き方に影響するが、自由意志で目的を選んで行動するのが目的論。
行動を制約するものはあっても、それらによって決定されるのではなく、目標、あるいは目的をたてて進んでいけるというのが目的論。

不幸な人がいるのは幸福であるための手段を誤っているから。
幸福に生きるためにどうすればよいかということを知るべきである。

成功したら幸福なのか?そうではない。成功は幸福の過程でしかない。
幸福は存在そのものである。何かの目標を達成しなくても「今ここ」ですでに幸福である。
その幸福は、各人にオリジナルである。

対人関係の悩みのすべて


アドラー心理学(哲学)では幸福を対人関係でみている。
他者を仲間と思うことが重要。
自分に価値がある、ありのままの自分で良いと思える時にだけ、他者を仲間と思える勇気が持てる。

老いと病から学ぶこと

老・病の最も大きな問題は、自分の価値が低下したと思う「劣等感」

健康は幸福になるための一つの手段に過ぎない。目的は「今ここ」に存在する幸福になること。

生きていたら苦しい事ばかりだという人はいるでしょう。幸福などという浮ついた言葉が言えないくらいにとにかく苦しい、と。でも、生きることは苦しいけれど、それでも生きることはありがたい。そう思えるのには勇気がいります。

自分がただ生きていることが幸福だと思えると、他社に対して寛容になります。

死は終わりではない

どうせ死ぬから死んでもいい、頑張っても意味はない。ということにはならない。

来世があったとしても、来世において自分がこの世で経験したことをまったく覚えていない。
そうだとすると、この世でしたことの責任をとることができないではないか。
自分の言動に全く責任がとれないのであれば、今この人生で責任のとれる生き方をする。
それしかない。

死は誰にでも必ず訪れる。
人生は死を待たないで生きよう。そう思えれば、ずいぶん違うかもしれません。
とにかく「死を待たない」ということです。
待たないためにはどうしたらいいのか。今日という日を今日のために使うしかありません。
今日という日が充実したものであれば、明日のことは考えないでしょう。

今日、今さえよければいいと刹那主義的に生きるという意味ではなく、「今ここ」にある「他社貢献」を目標に生きなければならない。

今ここに生きる

人からどう思われるかは気にしない。
虚栄心を捨てて、自分への関心を他者に向け変える。

ありのままの自分を受け入れる。
「私」という「道具」は交換できないが「心」は変えられる。

「今ここに生きる」 古代ローマのストア派の哲学に由来。
「同じ川には二度入れない」古代ギリシア哲学。この世のすべてのものは流れゆくものであり、同じものとしてあるものは一つとしてないということ。

「今ここ」で生きることにより「他社貢献」することが生きる目標であり、これが幸福である。

「勇気」は伝染する。コロナ禍にあってもまず他者を仲間だと思える勇気を持つことが必要。

岸見一郎さんの哲学がここにあった

以上、この本のキーセンテンスを引用しました。

岸見さんは、著書「嫌われる勇気」の大ヒットによりアドラー心理学の研究者として有名です。
ですが、この本を読む限り、アドラーをそのまま表現しているのではなく、古代ヨーロッパの哲学も引用しつつ、岸見さんご自身の哲学を確立されていて、私たちに現代を生きる道筋を示してくれています。まさに岸見一郎さんの哲学書です。

そして、何度も記されている「今ここに生きる」、最後に記されている「同じ川には二度入れない」
これはまさに、禅で言う「而今」仏教でいう「諸行無常」に通ずるものだと思いました。

非常に読みやすい本ですので、皆さんもぜひ手に取ってみてください!

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